ブラインドサッカー
先日、ご紹介させていただいた「ブラインドサッカー」
皆さんは、どんなスポーツか、ご存知でしょうか?
今日はブラインドサッカーの魅力と、
昨日、観戦に行ってきたので、観戦模様をご紹介させていただきます!
ブラインドサッカーはパラリンピックや
世界選手権などの国際大会も盛んで、
日本は徐々にレベルアップしています。
国内でも地域でのリーグ戦や日本選手権などが開催されています。
通常、情報の8割を得ているという視覚を
閉じた状態でプレーします。
技術だけではなく、視覚障がい者と
健常者が力を合わせてプレーするため、
「音」と「声」のコミュニケーションが重要です。
ブラインドサッカーには大きな特徴が3つございます。
1)音の出るボール
ボールは、フットサルボールと同じ大きさです。
ボールは転がると音が出る特別なボールを使用します。
全盲の選手たちもボールの位置や転がりがわかります。
2)「ボイ!」の掛け声
フィールドプレーヤーはボールを持った相手に向かって行く時に、
「ボイ!」と声を出さなければなりません。
選手の存在を知らせ、危険な衝突を避けるためのルールです。
発しないとノースピーキングというファールを取られます。
「ボイ(Voy)」とはスペイン語で「行く」という意味なんです。
3)目の見える人の協力
敵陣ゴールの裏に、「ガイド(コーラー)」と呼ばれる役割の人が立ちます。
攻めている場面でゴールの位置と距離、角度、
シュートのタイミングなどを声で伝えます。
GKは目の見える人が務め、
自陣での守りについて全盲の選手に声で指示を出します。
また、サイドフェンスの向こうに立つ監督は、
選手交代の決定などに加えて、
ピッチ中盤でのプレーに声を出します。
選手同士の声の掛け合いも含めたコミュニケーションが勝負のカギを握ります。
観戦中のルール
選手たちにとってはボールの音や味方からの指示、
相手選手の声が大切な情報です。
それをじゃましないように、プレー中は観客も
静かに見ることが求められます。
観客のあなたもピッチ上の音や声に耳を澄ましてみましょう。
「声を出せないなんて、サッカー観戦じゃない!」という方も大丈夫。
ゴールが決まった瞬間は大歓声をお願いします。
その声で、選手は自分の得点がわかるのです。
簡単ではございましたが、少しは分かっていただけましたでしょうか?
動画がございますので、
選手たちの素晴らしい身体能力をどうぞご覧ください!
9月2日に行われた「アジア選手権」
先日、国立代々木競技場フットサルコートにて行われた
ブラインドサッカー アジア選手権を、
実際にスタッフと観に行き、写真も撮らせていただいたので
その時の様子を、少しお話しさせていただきます。
私自身、ブラインドサッカーを実際にみるのは初めて。
映像ではみたことがあったものの、やはり、目の前で行われるプレーは、
言葉では表現できないくらいの迫力がありました。
ドリブルは早いし、パスだって通ります。
やっぱりそこは、日頃の練習の成果なのでしょうが、
「すごい!!」「なんでできるの!?」と、思ってしまうのです。
時には激しいぶつかり合いもあり、ぶつかったあと、
うずくまっている選手をみると、心配でなりませんでした。
全力でプレーをして、全力でぶつかっているのですから、
その衝撃は、かなりの重さだと思うんです・・・。
それでも立ち上がり、プレーを続ける選手たち。
監督やコーラーの声を頼りに、必死に必死に、
ピッチの上を走り続けます。
そして、試合が再開する時、守備の定位置があるのですが、
必ずぴたっと、同じ位置につくんです。
それもまた、不思議で、すごいなあと思ってしまいました。
結果は、惜しくも
9月2日のアジア選手権は、惜しくも敗れてしまいました。
結果は 0-1 で、中国の勝利でした。
しかし、これで終わりではありません。
パラリンピック出場権を得るのは、今大会の上位2チーム。
まずは、本日9月3日に行われるイラン戦に初勝利し、
その可能性を、広げていきたいですね。
選手もすごいけど、サポーターもすごい
チケットは完売。
客席も、満員でした。
みんな、本当は歓声をだしたいのに、そこをぐっと堪えて、
真剣にプレーに見入っていました。
身を乗り出してボールの行方をみつめ、
静かに、選手たちを見守ります。
もちろん、選手交代時にはコールもありますし、
選手も、手を上げてそれに答えます。
みえないけど、聞こえている。
ファンがそばで、みていてくれる。
選手とファンが、通じ合っているのだなと、
初めて見た私たちにもそれは分かりました。
そして、ファンはマナーがすごくいい。
ハーフタイムになると、会場がざわつくのですが、
「こんなに人がいたの!?」と、びっくりするくらいの人の声でした。
試合を観戦して
ブラインドサッカーって、正直、
どんなふうに得点が入るのかわからなかったけど、
実際に観戦してみて、文句の付けようがないゴールをみせられたし、
ハンディをまったく感じないプレーばかりでした。
途中、会場の真上をヘリが飛んで行った時には試合が一旦中断し、
(ヘリの音でボールの音が聞こえなくなるため)
ブラインドサッカーならではの試合を感じました。
そしてなにより、全力でプレーする選手たちは、とても輝いてみえました!!
普段こそ、全盲のためステッキを持ち歩く彼らですが、
ピッチの上では、完全なるアスリート。
とてもとても、かっこよかったです。
興味を持たれた方は、ぜひ一度、ブラインドサッカーをみに行ってはいかがでしょうか?
熱い戦いは、9月7日まで繰り広げられます!