“JAPANESE IDENTITY”
BALR.本社と共に創り上げる日本のためのコレクション
21AWより展開を開始した、BALR.の日本限定コレクション。
高級感ある素材やシルエット、ディテールに定評の合ったQ-SERIESに、トレンド要素だったデニム生地を採用した、これまでにないラインナップを日本で展開。
今回は、ブランド・商品責任者の木村直樹に、好評だったAW21の第一弾に続く、SS22の第二弾の企画背景や本国との開発にまつわるエピソードについて伺った。
「BALR.がいかに日本をリスペクトしているか」が表現できた今作。
「日々の本国とのコミュニケーションの中で、BALR.本社からは日本というマーケットがいかに重要な位置付けか、という話はよく出てきます。そんな中で、今作はより日本の文化背景や要素を加えたラインナップにしたいという提案をしました。」
インスピレーションは、前回好評だったデニム生地のブルーから想起される、日本の青い空や海、そして潮の白。また、神社などで見かける鳥居などの朱色だ。日本の美しき四季や趣ある色味を表現するために、木村自身も休日を使って様々な場所を訪れては、インスピレーションとなるものを記録に残す。
「彼らにとってのJAPANは、スクランブルスクエアやネオン、歌舞伎町など、ややエキセントリックな部分ばかりでした。最初に提案してきた彼らの世界観は、それらを全面にプリントした奇想天外のデザイン。カッコ良かったですけどね。笑」
文化や価値観の違いと歩み寄る互いのコミュニケーション
コロナ禍でなかなか日欧間を行き来できない今だからこそ、画面先や言葉でのコミュニケーションでしか伝えられない制約の中、企画意図を理解してもらうのには時間も手間もかかった。ただ、そこにはBALR.デザインチームの日本の文化、そしてNY/パリ/ミラノなどと並んでファッションやトレンドの先端をいく日本のへのリスペクトもあり、熱心に日本企画への要望を聞き入れる姿勢があった。
異なる価値観から、歩み寄るコミュニケーションや感性。
何度もデザインの修正やサンプルアップのやりとりが繰り広げられた。
「ベースとなる色を寄せられても、ディテールのところで彼らのトレンドであるベージュを加えてきたり、ラメやキラキラした装飾を加えてきたりと、もともとの狙いだったところから少しズレたところからの修正やコミュニケーションも多々ありました。」
日本に合うカラーリングを提案するために、調査会社に委託して日本人に好まれるカラーのプレゼンテーションをしてくるくらいだ。BALR.の本国チームは丁寧に耳を傾け、歩み寄る形で意見を反映したりフィードバックを取り入れた。BALR.のデザインチームにとっても、日本との共同企画は楽しんでいる様子が伺えた。
「侑加や直樹が出すアイデアは、我々がオランダにいるだけでは到底考えられない新しいもので、我々にとっても刺激になるし、学びにもなる」と、日本企画のデザインをリードするパスカル氏は語る。「そんなアイデアを我々の力やこれまでBALR.として排出してきたブランドのコアな部分を融合することで、すごくユニークでエキサイティングなアイテムが実現したわ」
現地にいるだけでは知り得ない遠く離れた日本の世界観から生み出されるデザインコンセプトをベースに創り出されるもの。彼らにとっても、そのデザインが好評で売れれば彼ら自身の自信や評価にも繋がる。
「JAPANESE IDENTITY」による新たな期待感、高揚感
ようやく完成したのは、前作からより大胆に、かつシンプルに日本らしさや日本のユーザーを惹きつけられるような生地感やデザインを取り入れたもの。BALR.本来の高級感やシルエットはそのままに、シンプルかつ大胆に日本らしさを取り入れたアイテムが出揃った。
“Q-SERIES STRAIGHT CLASSIC HOODIE”は、日本の海を連想させる濃紺から白へのコントラストをデザインに採用。背景には日本人が好むデザインやカラーを模索していく過程で、日本在住者を対象に好きなカラーを調査し、約40%の割合が「青が好き」という結果から、青色をベースに、日本の美しき海や空、海の潮などをトレンドのタイダイのような表現に。本国との共創で目指し、日本文化のインスピレーションをBALR.らしいデザインに表現することができた傑作に仕上がった。
日本の伝統色で縁起の良い配色とされている紅白カラーが特徴の“OLAF STRAIGHT JAPAN BRAND LOGO LONGSLEEVE”。
「BALR.」ロゴの「.」(点)部分に日本国旗を連想させるレッドカラーに変更することで、日本限定コレクションの特徴を引き出したロングTシャツ。通常コレクションとは一線を画したユニークなデザインに仕上がっている。
「一発目(21AW)は反響が読めなかったので慎重で小さなコレクションでしたが、、思いの外好評だったため、今回はバリエーション含め、より大胆に企画を構成しました。恐れずにチャレンジすること。それが我々バランススタイル、そしてBALR.との信頼関係でもあり、共通認識です。」
「(バランススタイルが)上陸してもうすぐ4年になりますが、既存のお客様、新たなお客様に常に新しいもの、新しい価値を提供していき、期待値を高め続けなければなりません。そのためには、いかにBALR.らしさを保ちつつ、日本のお客様に受け入れてもらえるか。どんなものやメッセージを込めたらより着てもらうことへの喜びを感じてもらえるか、という点を意識しながら、本国との協業を進めてきました。」
「変わらないベースのアイテムに、日本らしさや日本人の肌やスタイルに合いやすい色やデザインで表現したカラーリング、素材の選定などを手に取って感じて頂き、実際に着用した時に得られる満足感や高揚感を楽しんでもらいたいです。」
国や言語を超えてカルチャーやシーンをイメージしながら今回出来上がった作品に、確かなる手応えを感じた木村。そんなコレクションが満を辞して登場する。
バランススタイルがお届けする、日本のために創られたBALR.の新たな限定コレクションにも是非注目してもらいたい。