A-COLD-WALLを分析
2015年に立ち上がったブランド「ア コールドウォール(A-COLD-WALL)」のブランド名の由来やデザイナーの生い立ちなどを解説しながら、ブランドの実態に迫っていきます。
デザイナーはイギリス出身のSamuel Ross(サミュエル・ロス)で、彼は母国の階級社会から多くのインスピレーションを得ています。彼は労働者階級に生まれ、生活は決して豊かなものではなかったと語っています。
実は、”A-COLD-WALL”というブランド名も、イギリスの階級社会からインスピレーションを得て名付けられたものなのです。
“A-COLD-WALL“という名前、直訳すれば“冷たい壁“という意味になります。
冷たい壁と聞いて思い浮かべるイメージは、階級によって異なるものであり、貧困層にとっては硬いコンクリートのようなもの、一方で富裕層にとっては大理石でできた壁のようなものである、と彼は定義しました。同じ言葉でも、階級によって捉え方が違うということの興味深さから命名されたのです。
幼い頃より絵を描くことが趣味であり、グラッフィックデザインを学んだ大学時代を経て、彼は24歳と非常に若い時に同ブランドを立ち上げます。
しかし彼の人生におけるターニングポイントは、ヴァージル・アブローにスカウトされ、彼の右腕として働いていた期間でしょう。彼はOff-Whiteを設立し、2019年にはLouis Vuittonのメンズデザイナーに就任した世界的デザイナーです。
そんな偉大な人物に、サミュエルはインスタでスカウトされたというから驚きです。彼のインスタの投稿を見たヴァージルは、その才能を見抜き共にプロジェクトを始めることを提案したのです。
そうした経緯でヴァージルの元でクリエイティブアシスタントとして働き、デザインからビジネスまで様々なことを学んだ彼によって立ち上げられたのが“A-COLD-WALL“なのです。
彼の独特な価値観が落とし込まれたデザインの数々、是非これから注目してみてください。