多くの人を惹きつける魅力とは
1989年、「メゾンマルジェラ(Maison Margiela)」にとってデビューコレクションとなったショーのエンディングで登場した足袋ブーツ。
足袋ブーツを赤い塗料に浸し、それを履いたモデルたちが真っ白なキャットウォークに足袋特有の足跡を赤く刻み込んだ演出はファッション界に衝撃を与え、鮮烈なお披露目に。
何十年も経った今でも、ファンの間で語り草となっています。
ブランド創設者であり2009年までデザイナーを務めたマルタン・マルジェラいわく、「観客に足袋ブーツの存在を気づかせるために最も効果的なのは足跡だと思ったんだ」とのちに語っています。
日本とマルジェラの関係性
そもそも足袋とは日本伝統の衣類であり、作業現場や和装で使用されるもの。
しかしマルタンはそんな足袋に新たなファッションアイテムとしての可能性を見出し、30年以上も愛される足袋シリーズを生み出したのです。
そんなマルタンに少なからず影響を与えたのが、山本耀司と川久保玲という日本が世界に誇るデザイナーの二人。
この二人のアバンギャルドなデザインに魅了されたマルジェラは、日本へ旅へ出た際に足袋を発見し帰国後すぐに足袋ブーツの開発を目指したと言いますが、つま先が割れたデザインのシューズは当時あまりにも斬新過ぎたため中々開発を引き受けてくれる靴職人が見つからなかったそう。
そうした苦難の果て、足袋ブーツをブランド初のコレクションで発表してからは、その革新的なブーツに関する問い合わせの連絡が絶え間なく届いたと言います。
しかし幸か不幸か、当時のマルジェラには新しい型の靴を制作する予算がなかったそうで、足袋ブーツ以外の選択肢がなかったとのこと。
前年のモデルに新しくペイントして販売するなど苦肉の策をとることもあったそうですが、足袋ブーツの人気は現代に至るまで全く落ちていません。
そうした過去もありながら今ではブーツ以外にもサンダルやスニーカーなどあらゆる種類のシューズで足袋シリーズが展開されており、数年前からはReebokとのコラボアイテムにも足袋デザインが採用されているほど。
マルタンが、そしてマルジェラというブランドが最も得意とする脱構築的デザイン(伝統的な物にちょっとした捻りを加え、新たな価値観を生み出すこと)を象徴するかのような足袋シリーズは、身につけているだけでファッション感度の高さをアピールでき、街中でもきっと多くの視線を集めるほどファッション界のアイコニックなアイテムして君臨しています。
バランススタイルでもオンラインストア、千駄ヶ谷店で様々な種類の足袋シューズを取り扱っています。
ぜひ皆様も、足袋シリーズの魅力に触れてみてください。